豊中市緑丘の小児科。予防接種、乳児健診等。 千里中央駅阪急バス3番乗り場より「豊中」行きに乗車(約10分)し、「緑丘」下車すぐ。

ふじかわきっず通信

日本外来小児科学会に参加して %E3%81%8A%E3%81%B0%E3%81%911.gif

今年も、8月最後の週末に、スタッフ全員とともに日本外来小児科(神戸)に参加してきました。全国から約2500人の小児科医、看護師、受付事務、保育士、薬剤師等が集まり、職務毎あるいは職務を越えて研修してきました。

例年のように、私が参加した主なセッションについて書きます。 
          
                
%E3%81%8A%E3%81%B0%E3%81%913.gif 1)不活化ポリオワクチンを始めよう(前回のキッズ通信を先に御一読下さい)
今回参加の最大の目的でした。クリニックで既に輸入ワクチンンを開始している先生、開始を検討している(私も)先生が40人集まり、不活化ポリオワクチン導入の必要性、マスコミ報道後の生ワクチン接種率の低下の実情、厚労省が進める生ワクチンから不活化ワクチンへの移行スケジュール、実際にクリニックで不活化ワクチンを開始に伴う問題点などが議論されました。これらについて、整理して記載します。

%E3%81%8A%E3%81%B0%E3%81%914.gif ・不活化ポリオワクチンの導入の必要性
生ポリオワクチンの経口摂取が原因でポリオ(小児麻痺)を発症した乳児例の散発(報告例より恐らく多く存在する)、生ワクチンを接種した乳児の家族のポリオ発症(便から感染)、中南米でのワクチン株ポリオウイルス株の強毒化によるポリオ流行など、生ポリオワクチンの問題点が確認されました。
%E3%81%8A%E3%81%B0%E3%81%914.gif・生ワクチン接種率の低下
マスコミにより生ワクチンによる患者発生の報道が相次ぎ、通常90%を割ることがなかった接種率が80%台前半まで低下してきている報告がなされました。諸外国の例でも、接種率が50%を割るとポリオの大きな流行が生じる傾向があり、乳児の多くが生・不活化に関わらずワクチンを接種しないのは、不活化ワクチン定期接種化前の最大の問題と危惧されました。
%E3%81%8A%E3%81%B0%E3%81%914.gif・生ワクチンから不活化ワクチンへの移行スケジュール
厚労省は、単独ポリオ不活化ワクチン(海外で使用されているワクチン)の国内治験を今年7月に開始し、日本の乳児での有効性・安全性を確認して来年初めにも開始される予定でしたが、追加接種(1年後)までのデータを集積後に認可する方向に変更され、認可は早くても来年末に延びることが報告されました。また、同時に治験されている国内メーカーによる三種混合(DPT)+不活化ワクチン(四種混合ワクチン)の開始も再来年の春以降に延期されることになるようです。
%E3%81%8A%E3%81%B0%E3%81%914.gif・クリニックでの不活化ワクチン開始(定期接種認可前)の問題点
現時点で、不活化ワクチンを接種しようとすると、当院が並行輸入業者からワクチンを“個人輸入”というかたちで購入し、御家族に自己負担(4500-500円程度)を頂き接種することになります。最も議論になったのは、接種後に健康障害が生じた時、政府が認可していないワクチンのため公的補償が受けられず、輸入業者の補償のみが頼りになります。世界的に認められた極めて安全なワクチンですが、開始を検討している医師達にとっては、大きなネックになっています。

%E3%81%8A%E3%81%B0%E3%81%914.gif・今後の当院の不活化ポリオワクチンへの取り組み
今回のセッションに参加して、不活化ワクチンの定期接種化が予想より1年程度遅くなりそうなこと、生ポリオワクチンを含め乳幼児の非接種比率が上昇すると国内での流行が危惧されることなどを考慮し、当院でも準備が整い次第、早期に不活化ポリオワクチンの接種を開始することにしました。
しかし、現状では「インフルエンザワクチン」の予約と保護者の方々の「単独接種志向」で接種枠がないこと。さらにワクチンを保管する専用冷蔵庫の購入・設置の必要があり、開始は早くても年明けになりそうです。 また、当院で不活化ポリオワクチンの接種をご希望の方はたいへん多く、希望者が殺到するおそれがあり、ご希望の方全てに対応できるか不安があります。そのため接種対象者にいくつかの条件を設定する予定です。    
   
①ヒブや肺炎球菌等、他のワクチンとの「同時接種」を原則とします。
②当院でワクチンスケジュールを作成し、ヒブ・肺炎球菌・DPTを既に接種済みで生ポリオを見合わせているという方は単独接種もOK。
③御家族が十分に「不活化ポリオワクチン」のメリットとディメリットを承諾いただいたうえで、希望される方に接種をします。         
          
具体的な開始時期が決まり次第、ホームページやメール配信でお知らせします。ご予約の受付はまだ開始していません。

       

%E3%81%8A%E3%81%B0%E3%81%913.gif 2)ロタウイルスワクチンの開始
毎年2月から4月にかけて流行するロタウイルス性胃腸炎の生ワクチン(経口)が、11月から接種可能になります。高熱、嘔吐、下痢が数日続き、乳幼児にとって最も重症の胃腸炎(5歳までに、約90%が罹患)ですが、脱水だけでなく痙攣や脳炎を合併することもあり、入院治療を要することも珍しくありません。医療後進国では、乳幼児の死亡原因の一つになっており、早くから導入されたオーストラリア等では、罹病率が著明に減少しているようです。

①任意接種です。費用がおよそ1.2万円前後/回と想定されています。医療経済的には、罹患した場合に比べ、この価格でも安価のようですが・・・ (;´∀`)・・・ 先進国では定期接種化されているワクチンです。

②生後6週から24週の間に4週間隔で2回接種(経口投与)します。この時期は他のワクチンのスケジュールがたて込んでいる時期です。しかも生ワクチンですので、次のワクチンまで27日以上空ける必要があります。前後のワクチンの兼ね合いをよく考慮して予定を立てる必要があります。(看護師が個別にご相談を承ります。)   
           
           

%E3%81%8A%E3%81%B0%E3%81%913.gif 3)乳幼児喘息について
このテーマで、いくつもの講演、議論がありました。
秋から冬にかけて、乳幼児が風邪を契機に咳が多発し、横になるとゼイゼイ(喘鳴)して眠れない(御両親も眠れない)子どもたちが多数受診されます。日本では、喘息性(様)気管支炎と表現され、3歳までに3回罹患すると乳幼児喘息(広い意味で)と診断されます。
「喘息」という言葉が、かっての「公害喘息」や「成人や高齢者の慢性の難病」のイメージが強いため、ショックを受けられる御両親が多いですが、殆どの乳幼児は成長に伴って風邪をひいても喘鳴をおこさなくなります。欧米では、「喘息」と区別するため「急性細気管支炎」という言葉を使うようです。ただ、一部の乳幼児は、成長しても喘鳴を繰り返し、「真の喘息」に進展していく患者さんもおられ、アレルギーの有無や喘息の家族歴、喘息性気管支炎時の重症度(入院歴)等も考慮して、過剰な治療あるいは不十分な治療にならないことが重要であることを改めて痛感しました。     
            

%E3%81%8A%E3%81%B0%E3%81%914.gif 付記: お盆休みにも、小児科医のみの学会である日本小児科学会に3日間参加してきました。参加するたびに、その時代の大きなテーマがあるようですが、今は「ワクチン」、「軽度発達障害(自閉症、注意欠陥多動症候群等)」が注目されています。ただ、あらゆる領域が日進月歩で新しい考え方・治療が導入され、「目から鱗」の連続でした。休診で御迷惑をおかけしますが、少しでも日々の診療に反映できればと思います。
  
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産休明けで復職したナースや新規採用のフレッシュな受付スタッフの歓迎会をしましたha-to.gif
  

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次回は開院5周年のランチの予定です・・・・ どこかいいお店を教えてもらえると嬉しいのですが・・・%E3%81%8A%E3%81%B0%E3%81%91%EF%BC%96.gif

2011年9月29日
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日本外来小児科学会に参加して <img alt="%E3%81%8A%E3%81%B0%E3%81%911.gif" src="http://fujikawa-kids.jp/kidsblog/%E3%81%8A%E3%81%B0%E3%81%911.gif" width="32" height="32" />をはてなブックマークに追加 日本外来小児科学会に参加して <img alt="%E3%81%8A%E3%81%B0%E3%81%911.gif" src="http://fujikawa-kids.jp/kidsblog/%E3%81%8A%E3%81%B0%E3%81%911.gif" width="32" height="32" />をYahoo!ブックマークに追加 日本外来小児科学会に参加して <img alt="%E3%81%8A%E3%81%B0%E3%81%911.gif" src="http://fujikawa-kids.jp/kidsblog/%E3%81%8A%E3%81%B0%E3%81%911.gif" width="32" height="32" />をSaafブックマークに追加 日本外来小児科学会に参加して <img alt="%E3%81%8A%E3%81%B0%E3%81%911.gif" src="http://fujikawa-kids.jp/kidsblog/%E3%81%8A%E3%81%B0%E3%81%911.gif" width="32" height="32" />をBuzzurlに追加

これから始まるワクチンのこと・・・ その他 いろいろ

8月ですね! すっかり更新が遅くなってしまいました。
夏休み真っ只中 子どもたちはルンルンですね。%E5%A4%8F%E4%BC%91%E3%81%BF1.gifお母さんたちは・・・げっそり?なんてことはありませんか? この夏大流行の「手足口病」もやっと落ち着き、患者様の数も減りはじめ、ホッとしています。
例年、春から夏にかけて患者様の数が減るのですが、今年は全く減らず、真冬なみの混雑日が続いていました・・・ そのあいだに、いろいろときっず通信の“ ネタ ”をため込んでしまいました。 
今回はそのネタを大放出です。 
後半には、今年の誕生日の様子や研修医の武鑓先生の画像も満載です。さいごまで楽しんで読んで下さいね。

%E3%81%82%E3%81%8A%E3%81%82%E3%81%84%E3%81%99.gif <ポリオ生ワクチン→ 不活化ポリオワクチンについて>

昭和30年代に、ポリオウイルスによる小児麻痺が猛威をふるいました。政府は、当時のソ連からポリオ生ワクチンを緊急輸入し、乳児全員へ接種したことで、流行は急速に沈静化しました。 以後ポリオ生ワクチンは定期接種化され、最近30年間、野性株ポリオの国内患者はなくなりました。
しかし逆に、ポリオ生ワクチン(弱毒化ポリオウイルス)によるポリオの発症(30万に1人から200万人に1人)が注目され、すでに世界の殆どの国で導入されている不活化ポリオワクチンへの変更の必要性が、国内のマスメディアで何度も報道されました。 
それにともない、皆様からの質問(接種要望も)も増えてきました。ただ、不活化ワクチンは現時点で国の認可を受けていないため、接種にはいくつかのハードルがあります。
   
① 私費で4回の接種が必要
(高額の自己負担と他のワクチンスケジュールとのかねあいや、同時接種の問題)
② 副反応出現時の国の保証がない
③ 免疫の維持期間が生ワクチンに比べ短い

などの問題点もあり、当院では不活化ポリオワクチン開始の準備を進めながら国の対応をみてきました。そして、最近になって、本年度内での不活化ポリオの単独ワクチンの認可と、来年度から3種混合ワクチンに不活化ポリオワクチンを添加した4種混合ワクチン定期接種導入の情報があり、私費での不活化ワクチンの開始を見合わせています。不活化ポリオの単独ワクチンが定期接種になるかは現時点でまだ不確定ですが、今秋にも政府により上記決定がなされるものと考えています。

%E3%81%B4%E3%82%93%E3%81%8F%E3%81%82%E3%81%84%E3%81%99.gif <子宮頚がんワクチンについて> 

子宮頚がんの全てが、ヒトパピローマウイルスの持続感染で発症することが判明し、初めての癌予防ワクチンが作られました。日本でも今年から公費補助で接種可能になりました。しかし、先行開始した自治体で1-2月に接種希望者が殺到し、国内のワクチンストックが枯渇し、4月開始の自治体(豊中、箕面市等)は、暫く接種できない時期が続きました。その後、7月20日に厚労省からワクチンの確保ができ接種再開可の通達がなされ、当院でも連日多くの中学生および高校1年生の接種を行っています。今回の公費補助の予算有効期限が来年3月末までですが、恐らく来年4月以降も継続可能になると考えています。しかし、「こども手当」が廃止されるなど、政冶が不安定な時期でもありますし、高校1年生の方に限っては、念のため今年の9月末までに第1回目の接種をしておいた方がいいかもしれません。
 
%E3%81%8D%E3%81%84%E3%82%8D%E3%81%82%E3%81%84%E3%81%97.gif <今年のインフルエンザワクチンについて>

8月1日にインフルエンザワクチンの接種量の変更が発表されました。従来の小児接種量が諸外国に比べ少ないため、抗体の上昇が不十分と指摘されていましたが、今年からやっと専門家の意見が取り入れられ、以下の接種量と接種間隔になりました。
 
 生後6か月から3歳 0.25ml を2~4週間隔で2回 
 3歳以上13歳未満 0.5 ml を2~4週間隔で2回 
       
これにより、3歳以上13歳未満の1回接種量が成人と同じになり、尚且つ2回接種で総接種量が成人の倍になりました。また2回接種の間隔が、1~4週間から2~4週間になり、諸外国と同様の抗体価の上昇が望めると思います。

当院は、今年もチロメサール(エチル水銀化合物)を含まない製剤を使用します。尚且つ、最も卵白含有量が少ないインフルエンザワクチンを使用予定です。 今回の1回接種量は、乳児から6歳の子供にとって昨年までの倍以上の接種量になります。従来の接種量でも腫脹が強かったお子さんには、接種後のステロイド軟膏の塗布などの対応が、より必要になると考えています。  今年度の予約開始は9月1日(木)の予定です。  

%E3%81%A1%E3%82%87%E3%81%93%E3%81%82%E3%81%84%E3%81%99.gif <ロタワクチンについて>  
  
ロタウイルスは、ノロウイルスと並んで、毎年流行する感染性胃腸炎をひき起こす代表的なウイルスです。やっと日本でも5月に、ロタワクチン(ロタリックス)が承認されました。 おそらく今月末の日本外来小児科学会でも、ランチョンセミナー等でトピックスとしてとりあげられるのではないかと予想しています。 しっかり情報収集してから、詳細はまたお知らせします。
 
%E3%81%82%E3%81%8A%E3%81%82%E3%81%84%E3%81%99.gif <子どもと放射能について> 
 
このテーマは、奥深くとても短い文章では表現できないのですが、今言えることは当初政府が繰り返し言っていた「この程度の線量では、健康に影響はありません」ということが、全く根拠のない戯言であった(あくまで個人的な見解です)ということです。線量は、計り方や場所によって大きく変化します。
私達医療者にとっては“ 被ばく”ということは比較的日常的に遭遇することですが、それでも、福島で報告される“ホットスポット”と呼ばれる箇所の線量は驚くほど高値です。まだ、誰にも知られていないホットスポットが存在するかもしれません。今や福島の現状は「ヒロシマ」や「ナガサキ」と同様に「フクシマ」と表現され世界中の人々に知られつつあります。 今、子ども達の未来を守りたい私達にできることは、冷静に情報を集め、分析し対処することです。幸いにも、大阪のこの地に住んでいる限り直接的な影響はありませんが、できるだけ安心安全な食材を子ども達の食卓に並べてほしいと思っています。高濃度汚染の稲わらを食べさせられた牛のように、知らないうちに内部被ばくをしているということもありえる状況だということを、頭の片隅において生活していくことも必要かもしれません。 
   
midoriaisu.gif それでは、この夏の画像をたくさん載せますね。 
   
%E3%81%8A%E3%82%93%E3%81%B7%EF%BC%94.gif 今年の誕生日・・・スタッフがケーキを準備してくれました。
  プレゼントは毎日使える高級ボールペン!  
  ありがとう!みんなー!!すなおに嬉しいです!!
  でも…? ん? おおっ! ロウソクの年齢が…! 去年より若返ってるぞ~
 
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研修医の武鑓(たけやり)先生が箕面市立病院(大阪大学付属病院)から1カ月の研修に来ていました。 診察に来た子ども達は見慣れない先生に興味津々で… 
そんな子ども達と目が合うと“ にっこり ”爽やかな笑顔で診察室をなごませてくれました。
 
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%E3%81%8A%E3%82%93%E3%81%B7%EF%BC%91.gif 恒例の夏ランチです。 今年のコースは、いつになく品数が多くボリューム満点でした。
 
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なぜだかみんな真顔ですね・・・ ふじかわ小児科のモットー“ いつも笑顔で! ” なんだけど~
あっ、武鑓先生は笑顔でVサインですね!
  
%E3%81%8A%E3%82%93%E3%81%B7%EF%BC%92.gif  スタッフにまたBaby 誕生!… さて誰のBaby かな? 

%E8%B5%A4%E6%9D%BE%E8%A6%8F%E5%AD%90baby2.jpg  美人さんでしょう  ha-to.gif  昨年の秋に入職した看護師の赤松さんが4月に可愛い女の子を出産しました。美人で評判の看護師でしたから、みなさんも覚えているかと思います。
またこの秋か冬から復職予定です。みなさん宜しくお願いします。
 
%E3%81%8A%E3%82%93%E3%81%B7%EF%BC%93.gif 最後に、すっごいプライベート画像ですが・・・先日、高校野球大阪大会の準決勝を観戦してきました。というか・・ 長女がチアリーディング部で炎天下で応援する・・・  というので・・・ ホントに親バカですが・・・ 半分は長女の応援で・・・ 行ってきました。
この日は暑かったけど、野球部も試合に勝って、気分転換にもなり、良かったです。

でも、翌日の決勝戦では、懸命の応援のかいもなく・・・勝ちゲームをひっくり返され、サヨナラ負けで・・・ みんなで“ 大泣き ”したそうです。 「ああ~! 今日は青春したわ!」が帰宅の第一声でした。
現代っ子です。   
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2011年8月03日
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ヒブワクチン・肺炎球菌ワクチン騒動、そして東北地方沖太平洋大地震

日本人が過去に経験したことが無い大地震・大津波が東北地方を襲い、半月が経過しました。当院にも被災地を逃れてこられたお子さんが受診され、ご家族の心痛を目の当たりにし、おかけする言葉もありませんでした。今はただ、阪神淡路大震災でも発揮された、日本人の地道で統制の取れた災害復興が成就することを祈るばかりです。

地震前には、宮崎の火山噴火、NZの大地震、京都大学入試での携帯電話を使用したカンニング事件等、2月以降に大事件が続きましたが、我々小児科医を驚かせたのは、3月初めに報道された小児肺炎球菌ワクチン、ヒブワクチンを含むワクチン同時接種の後に、7例の死亡例が報告され、急遽両ワクチンの接種を中止するよう厚生労働省から通達されたことでした。


<ヒブ・小児用肺炎球菌ワクチンについての考え>
 

両ワクチンは、日本で接種が開始されるまでの10年以上の間にすでに世界中で延べ数億回接種され、乳幼児の急性侵襲性細菌感染症(髄膜炎、敗血症等に)に著しい効果を有し、十分に安全が確認されて、日本でも接種が開始されました。
ただ、前述の感染症のピークが生後6ヶ月から1歳であるため、標準的接種開始時期が生後2ヶ月から1歳となっています。この時期は、乳児期早期の突然死(いわゆる、原因不明の乳児突然死症候群)を発症しやすい(年間約150人)といわれる時期と重なっています。さらにそれ以外にも、百日咳やRSウイルス感染によって引き起こされる呼吸停止、心疾患等の重症基礎疾患のある乳児の突然死が(その数倍)起こる時期と一致するため、偶発的にワクチン接種直後に乳児突然死症候群の症例が紛れ込む恐れがあることは、接種開始前から危惧されていました。

厚労省は、7件の死亡例の後一旦接種を中止し、専門家による調査・検討を繰り返しました。その後3月24日に厚生労働省(調査検討会)から、死亡例の調査結果及び諸外国での状況が通達されました。
 

1) 死亡例とワクチン接種の因果関係は認められなかった。

2) 諸外国での死亡報告頻度は、小児用肺炎球菌ワクチンで10万接種で0.1-1、
                        ヒブワクチンでは10万接種で0.02-0.01程度 
                  (両者とも死因は大半が乳児突然死症候群や感染症が占めている)
   この数値は、日本での現在までの接種者数から概算した数値と大差がない。
 

以上より、4月1日からの接種再開が指示されました。


また、日本では、これらのワクチンの接種が開始されるまでは、単独接種が原則だったため、同検討会では同時接種についても検討されましたが、同時接種と単独接種の副反応発現率に有意差はない(海外、国内ともに)という結論が出され、特に安全性上の懸念なしとの意見でした。
世界の常識が日本の非常識とならないよう・・・ 繰り返します。 要するに「 同時接種をしたからといって、副反応のリスクが高くなるということはない。」ということです。
 

どんな予防接種でも薬でも・・・ 残念ながら100%安全と言い切れるものはありません。ただ、今回の検討ではワクチンを受けるリスクよりも、有益性が上回ると判断されて出された早期再開という結論と受けとめています。
  

でも、大切な大切なお子さんのことです。どんなに大丈夫と言われても、お母さんお父さんにとっては悩ましいことだと思います。 どうかデメリットばかりに捕らわれず、たくさん悩んで、たくさん考えてください。そして、納得してワクチンが受けられるようになって頂けることがベストです。そのために、私たち医療者のできることは、努力を惜しみません。何なりと聞いてください。子供さんのこと、心配なこといろいろあるかと思います。どんどん相談してください。お待ちしています。

 

<今後の対応>
 
前記の厚生労働省の通達により、4月から小児用肺炎球菌ワクチン、ヒブワクチンを再開予定です。(あくまで31日の最終通達待ちですが)
しかし、ヒブワクチンについては、同時期に異物混入のロットの存在が報告され(純粋な製造工場でのミス)該当するロットの回収作業が現在進められています。安全なロット供給が数週間から数ヶ月遅れる模様で接種再開はその後になるとのことですが、当院は幸運にも当該ロット以外のヒブワクチンをすでに保有しているために、一部公費負担接種開始とともに接種を再開できる予定です。
また、同時に一部公費接種開始予定だった、子宮頸癌ワクチンも希望者が予想をはるかに上回り、供給不足で新規接種予約受付は、早くても7月になりそうです。(中学1年生から高校1年生対象で3回接種)。
小児用肺炎球菌ワクチンは、厚生労働省の通達実施後に供給を再開するとのことで、4月は暫く供給不足になるようです。

他のすべてのワクチンを含め、当院では同時接種を従来どおり継続予定です。ただ、今回の死亡例に基礎疾患を有する乳児が複数おられたため、(特にご両親の強い希望がない場合には)基礎疾患を有する乳児(心臓疾患や染色体異常)は、両ワクチン(小児用肺炎球菌ワクチン・ヒブワクチン)についてのみ暫くは単独接種を原則とする予定です。
  
 
<今回のまとめ、各市の対応>
 
4月から豊中、箕面でも開始予定であった小児用肺炎球菌ワクチン、ヒブワクチン、子宮頸癌ワクチンの一部公費負担がシステムとしては開始(池田、吹田は開始済み)しますが、小児用肺炎球菌ワクチンは短期間、子宮頸癌ワクチンは供給が増えるまで暫くお待ちください。再開時は、院内掲示やウエブで報告させていただきます。


尚、(老人のインフルエンザワクチン以外では、)初めての一部公費負担ワクチンですので、居住される市によって接種可能医療機関や料金が異なります。本日確認できた近隣の市の方針は以下のようです。(当院で接種する場合)


豊中市在住の方: ヒブワクチン1000円、小児用肺炎球菌ワクチン1000円、子宮頸癌ワクチン3000円(市内の医療機関のみ)
 

箕面市在住の方: 他市の医療機関で接種する場合(当院も)、市から依頼書をもらい接種。費用は一旦全額自己負担していただき、後日領収書を市に持参し公費負担分を還付してもらう。 
  
吹田市・池田市の方: 一部公費負担接種は、当該市の医療機関でのみ接種可能。 他市の医療機関(当院)で接種する場合は、全額自己負担で還付なし。


上記の公費システムは、平成24年3月末までの1年間の限定です。(それ以降の公費負担継続、無料(定期)化、逆に全額自己負担に戻る等は未定です)

 

<追記> その1 

 
4月から定期接種のワクチン(三種混合、麻疹・風疹、日本脳炎、二種混合)は、従来の豊中、箕面、吹田だけでなく、池田、摂津、能勢、豊能の方も依頼書がなくても当院で接種可能となりました。 ただし、BCGに限り吹田市のみ依頼書が不要で、その他の市の乳児は依頼書が必要となります。
はじめて受診する医師に予防接種を任せる不安は、小さくはないはずです。体調の悪い時にいつも診てもらっている「かかりつけ医」に予防接種も任せてもらえるようなシステムが早くできること、(定期予防接種を近隣の市の医療機関で手続きなく接種できることを私達は「相互乗り入れ」と呼んでいますが、)ヒブ・小児用肺炎球菌・子宮頸癌ワクチンが来年度には定期接種となり「相互乗り入れ」可能になることを切望しています。  
 

紆余曲折がありましたが、今回のワクチンの一部公費負担開始は、乳児及び女性にとって大きな福音で、一日も早くワクチンが安定供給され、接種対象者全員が早期に接種できることを望みます。


今回は長文になって申し訳ありません。厚生労働省の正式通達がこれからですので、今回のきっず通信は数日以内に内容変更する可能性がありますので、再度ご確認ください。 
 
<追記> その2
 
最後に、今回の震災に遭われたお子さんが定期接種を希望される場合、本来は住民票のある自治体が発行する依頼書が必要です。(電話で、郵送の依頼可能)しかし、現状で自治体の機能が働いていない場合は、依頼書がなくても公費で接種可能です。(豊中市に確認済み) 震災で、“それどころではない”というご心境でしょうが、予防接種は、必要な時期に必要な回数を接種することで、子ども達を守る大きな盾となります。ご検討ください。                                                           Dr%E6%B3%A8%E5%B0%84.gif

2011年3月30日
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2011年の年初にあたって

新年、あけましておめでとうございます。
約3ヶ月ぶりのキッズ通信になります。12月は、ノロウイルス性胃腸炎、RSウイルス性細気管支炎の流行とインフルエンザ予防接種の2回目が重なり、多忙な毎日でした。年末年始の連休で、九州に行ったり、久しぶりに読み残しの本(乳児健診、他科の医学書から新書、ミステリーまで)を読んだり、自転車で公園を走ったりして、少しエネルギーの補給ができました。
%E6%9F%BF%E3%81%86%E3%81%95%E3%81%8E.gif 今年予想されること、開始すること

1)インフルエンザ
インフルエンザは年末に数人の患者さんが来られたのみでした。新年は新学期の開始とともに、インフルエンザの流行で始まりそうですが、この冬はA香港 65%、Aソ連(新型インフルエンザ)25%、B型10%の割合で分離されていますので、久しぶりのA香港(乳幼児が重症化しやすい)主体の流行となりそうです。A香港は4年ぶりの流行で、乳幼児を中心に抗体保有率が低いと考えられ、急激な高熱とそれに伴う中枢神経症状(熱性痙攣、高熱せん妄、稀にインフルエンザ脳症)が特徴ですので、発症直後からの観察が特に重要と考えられます。また、今冬も新型インフルエンザ(Aソ連)が混在して流行するようですので、昨年、驚かされた急速な呼吸器症状の悪化(急性肺炎)にも注意が必要です。尚、新型インフルエンザは南半球を経由して2回目の流行に入りますが、ウイルスの構造は昨年と大きく変異しておらず、昨年、罹患されたお子さんは、罹患しないか軽症で済みそうです。

また、治療に関して、今年から日本製の2つの新しいインフルエンザ薬(点滴薬と吸入薬でいずれも1回投与で有効)が処方可能になりました。今までのタミフル・リレンザ以外の選択枝ができ、病状や年齢によって幅広い治療ができるかと思われます。
job17.gif共同臨床研究に参加します。
 <研究目的>
①インフルエンザの感染期間(周囲にうつす期間)を確定する研究
②新しいインフルエンザ迅速検査(東洋紡製)が従来方法に比べ10倍の感度で検出できるとされているが、発症直後からの検出が可能かどうかの研究

<研究の方法>

① 回復期に改めて受診していただき、2回目の迅速検査を基にして感染期間を検討します。
② 急性期の鼻汁で2種類(新・旧)の迅速検査を施行、新しい迅速検査がより早期から感度高く検出できるのか検討します。

参考
①:大阪小児感染症研究会で昨年秋に第1報発表済み。同研究会から、より拡大した臨床研究を推奨され、北摂の複数の小児科開業医(豊能小児感染症研究グループ)が共同で研究を進めます。
②:大阪府立感染症研究所の指導のもと、(株)東洋紡との共同研究で行います。

★①②ともに、ご家族が上記内容に承諾と同意を頂いた方のみ、参加をお願いします。
kafun1.gif2)花粉症について
関西ではおそらく2月中旬からスギ花粉が散布します。最近2―3年は平年の40%程度費飛散量で、落ち着いた花粉症でしたが、今年は、例年の5-10倍の花粉が飛散する30年ぶりの春を迎えるようです。よって、2月初めには、抗アレルギー剤の服薬・点鼻開始が必要で、季節の間はマスク、ゴーグル、目の洗浄など継続して行っておくべきと思われます。今年、心配しているのは、大量に飛散する日に喘息発作等の重症のアレルギー症状が出現しないかということです。花粉症の既往のある方は、早めに万全の準備で迎えてください。
1%E6%B3%A8%E5%B0%84.gif3)新しい予防接種の公費負担開始
昨年11月の政府決定により、ヒブ、肺炎球菌、サーバリックス(子宮頸癌ワクチン)の公費負担(一部は自己負担)が決定、豊中市では今年の春以降に開始されるようですが、開始時期は未だ不明です。ご家族の自己負担が減り、接種率の上昇が期待できる素晴らしい政策ですが、一刻も早く接種すべき乳児や幼児達が、公費化を待っている間に、ヒブや肺炎球菌に罹患してしまうリスクが心配です(1月から導入決定済みの自治体で、公費化後の接種を予定されていた乳児で細菌性(ヒブ)髄膜炎に罹患した例がすでに複数報告されています)。


4)電子カルテの共有化(病診連携)

多くの患者様を紹介させていただいている箕面市立病院の電子カルテが当院の電子カルテとリンクされ、患者様の箕面市立病院の電子カルテ内のX線画像、検査結果、退院サマリー等が、承諾書を頂いた上で閲覧できるようになりました。箕面市立病院に慢性疾患で定期受診されている患者様、急性疾患などで入院された患者様の診療方針や検査結果など詳細な情報が確認でき、素晴らしい病診(病院と診療所)連携だと考えています。


おまけ 
 %E3%81%95%E3%82%93%E3%81%9F.jpg 昨年のクリスマスの日にこんな姿で登場!?
 泣いちゃった子がいたかも? お宝画像です。このサンタさんに会えた子は超ラッキー!? かな?

2011年1月05日
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スタッフに赤ちゃんが産まれました baby5.gif

えっ?だれが産んだのっ?って思いました?
妊娠してからは、時々しか出勤していませんでしたからね~ kao1.gif
 

2009年の3月にここで結婚のご報告をした看護師の梶川です。 またこんな素敵なニュースをお知らせできるのが、ホントに嬉しいです  ha-to.gif
9月の14日に無事男の子が産まれましたbaby4.gif    %E3%81%8B%E3%81%98%E3%81%8B%E3%82%8F%E3%81%9F%E3%81%8F%E3%81%BF%E3%83%99%E3%83%93%E3%83%BC.jpg
   
きゃー!! ホント可愛い!!
次回は予防接種や乳児健診で“ お母さん ”としてみなさんと一緒に来院してくれるのが楽しみ~ ha-to.gif


2010年9月28日
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