ふじかわきっず通信

生インフルエンザワクチン(フルミスト)と13価肺炎球菌ワクチン

%E3%83%84%E3%83%AA%E3%83%BC%EF%BC%91.gif 《 インフルエンザ生ワクチン:フルミストについて 》    


インフルエンザワクチン接種もいよいよ佳境に入りましたが、不活化インフルエンザワクチンの有効性については長期間議論されてきました。 最近、約15000人の乳幼児を対象にした疫学調査の結果が報告され、A型インフルエンザの予防効果は52%程度、B型インフルエンザ59%、入院抑制効果はA型 71%、B型72%、熱性けいれん予防率A型71%、B型88%と報告されました。つまり発病が50-60%、入院や重症化が78-80%軽減できるデータが示され、改めて乳幼児にも一定の効果があると報告されました。     
    

しかし、他のワクチンが適切な接種によって、感染予防効果が90%以上を示すことに比べるとやや低値で、より有効なインフルエンザワクチンとして、生ワクチンの研究開発が世界で40年以上前から続けられていました。そして、2003年に米国でインフルエンザ生ワクチン(商品名フルミスト、点鼻投与)が開発製造され 食品医薬品局(FDA)から承認を受けました。以後10年間のアメリカでの使用実績があり、2011年欧州でも認可され、発売されています。  
  


    
     

当院では昨年秋に、感染予防を目的としてスタッフ及びその家族に限定して米国から輸入した生インフルエンザワクチン(フルミスト)を約20人に接種しました。点鼻であるため痛みもなく鼻粘膜の刺激感も軽微でした。春に1人、B型インフルエンザに罹患しましたが例年に比べインフルエンザ発症を軽減できた印象です。  

    


生ワクチンの感染防御効果が高いのは、粘膜免疫・細胞性免疫も同時に獲得されるためですが、フルミストがすでに大勢に接種されている米国のデータでも、不活化ワクチンに比べ感染防御効果(83―92%)が高く、接種後の副反応も鼻炎が主なもので安全性の高いワクチンと考えられています。    

  


今年も、院内スタッフ及び家族に生インフルエンザワクチン(フルミスト)を接種予定ですが、それ以外に20人分のフルミストを別個に輸入しました。以下の点を踏まえたうえで、接種を希望される方はご予約下さい(米国と同じ基準です)。

%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%82%BF%E5%B8%BD%EF%BC%91.gif 対象 ・持病のない2歳から49歳。(当院では2~18歳、特に受験生にお勧めです。)
      ・過去にインフルエンザに罹患するか、昨年までに不活化ワクチンを接種したことがある方
      ・未認可ワクチンにさほど抵抗のない方(基本、自己責任での接種です。)

%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%82%BF%E5%B8%BD%EF%BC%91.gif 接種できない人 ・2歳未満と、50歳以上。
           ・1年以内に喘息発作のあった方
           ・免疫不全患者やそういった患者様をケアする方
           ・心疾患、肺疾患、喘息、肝疾患、糖尿病、貧血、神経系疾患などの慢性疾患を
             持つ患者
           ・アスピリンを服用中の方
           ・妊婦の方
            ・重度の卵アレルギーやゼラチンアレルギー、ゲンタマイシン、アルギニンアレルギー
             の方
           ・今風邪をひいていたり、鼻炎のひどい人(噴霧ワクチンが鼻粘膜まで届かない)
           ・ ワクチン被害に対する国の保証がないことを承諾できない方

%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%82%BF%E5%B8%BD%EF%BC%91.gif 接種回数  1回   

  
%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%82%BF%E5%B8%BD%EF%BC%91.gif 免疫維持期間 : 不活化ワクチンより長いが来春までのシーズン  

%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%82%BF%E5%B8%BD%EF%BC%91.gif 含まれるインフルエンザ株 :A型2種、B型2種(国産不活化ワクチンより1種多い)  

%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%82%BF%E5%B8%BD%EF%BC%91.gif 副反応 : 鼻炎症状が30-40%に、他の感冒症状(咽頭痛、頭痛、微熱)が10%未満に認める  
   

%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%82%BF%E5%B8%BD%EF%BC%91.gif 料金 : 8000円  

%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%82%BF%E5%B8%BD%EF%BC%91.gif 予約 : 電話で、直接予約下さい(20人に達し次第、終了します)
    
  
尚、フルミストについての公的な情報を知りたい方は、横浜市衛生研究所HPを参照ください。来年以降に本ワクチンを接種するかは未定です。  
   
     
   

%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%BC%E3%83%B3%E3%83%88%EF%BC%91.gif <13価肺炎球菌ワクチン>      
       

    
細菌性髄膜炎のワクチンの1つ、小児肺炎球菌ワクチンが世界で発売されたのが2000年。
そして、遅れること9年、やっと日本で小児肺炎球菌が認可されたのが2009年10月でした。 
しかし、その頃すでに海外では新しい小児肺炎球菌ワクチンが認可されていました。
それがこの11月から使用が始まった「小児肺炎球菌ワクチン13価」です。  
  


これには、従来の「小児肺炎球菌ワクチン7価」に含まれていなかった6価の血清型が追加されています。これによって、肺炎球菌による侵襲性感染症(髄膜炎、敗血症)は約90%予防される(7価では約70%)こととなり、乳幼児の肺炎球菌感染症が一層減少すると考えられます。スケジュールは従来の7価ワクチンとほぼ同様ですが、すでに7価ワクチンを開始されている子ども達は、11月1日以降、自動的に13価に変更されています。   
   


尚、既に7価ワクチンを追加接種(定期接種)まで終了されている方も、最終接種から2カ月以上経過していれば、新しい13価ワクチンを追加接種(1回のみで可)が可能となります。本来であれば、この追加接種も公費で定期接種として組み入れるべきものですが、今回は任意接種(自費)になりました。 世界では7価から13価の移行期に公費で1回接種され有効性・安全性が確認されています。
補助的追加接種と呼ばれ、1回の13価ワクチンの追加接種で新たに6価分の血清型の免疫が獲得できます。    

  
 
  
 %E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%BC%E3%83%B3%E3%83%88%EF%BC%91.gif 13価ワクチンの補助的追加接種をお勧めする理由    
  


これまでの7価ワクチンでも髄膜炎の主要な原因菌をカバーしていて、効果も充分認められ、事実髄膜炎の発症は激減しています。しかし、一方では今まで目立っていなかったタイプの肺炎球菌による髄膜炎の比率が高くなってきました。主要な原因菌が世代交代?してバトンタッチしているようで、今まで対応できなかった型に対抗するために13価のワクチンは開発されました。
これまで、細菌感染を繰り返して抗生剤治療が必要であった幼児(5歳未満)や、集団保育で耐性肺炎球菌感染リスクの高い幼児にとって有用なワクチンで、任意接種(自費)ですが追加接種の意義は充分にあると考えます。                                                                                      Dr%E6%B3%A8%E5%B0%84.gif  

2013年11月19日
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