ふじかわきっず通信

「ワクチンで防げる病気(VPD)を知って、子どもを守ろう」の会の参加施設になって。そしてインフルエンザワクチンをどうするか?

「ワクチンで防げる病気(VPD)を知って、子どもを守ろう。」の会の
参加施設になって

最近、全国紙で、繰り返し日本の予防接種の後進性(種類が少ない、回数が少ない、定期接種(無料)が少ない)が取り上げられています。それでも、昨年末にはインフルエンザ桿菌b型(Hib)ワクチンが接種可能となり、来年年初には子宮頸癌ワクチン(ヒトパピローマウイルスワクチン)、来年4月頃には肺炎球菌ワクチンと重要なワクチンが順次、接種可能になろうとしています。

世界では、ワクチンで病気を防ぐことは常識になっています。日本は、1990年前後に、ワクチン訴訟で国・医師側が連続して敗訴した頃より、行政・医師ともに予防接種について後ろ向きになり、ついに「北朝鮮並み」の国になってしまいました。しかし、今回の新型インフルエンザ騒動(それに伴う日本のワクチン製造能力の非力さ)、上記の子宮頸がんワクチン(初めての癌予防ワクチン)の登場など、ワクチンの重要性にスポットライトが当たるようになりました。私たちのクリニックは、開院以来、定期接種ワクチンは勿論のこと、任意接種のワクチンも積極的に勧めてきましたが、これから極めて重要なワクチンが続けて登場することに向けて、日本で97番目(大阪で15番目)の「VPDを知って、子どもを守ろう」の会員(参加施設)になりました。未だに「水ぼうそうやおたふくかぜは、ワクチンをするより自然に罹るほうが良い」と真剣に信じている一部小児科医、それを報道するマスメディアがいるようですが、VPDにより健康を損ねたり、命を落としたりする子ども(私も勤務医時代に、インフルエンザ脳症を含めれば、VPDが原因で死亡された15人のお子さんの最後に立ち会っています)を一人でも減らせるよう努力していきたいと思います。(尚、ヤフーやグーグルで「VPD」で検索すると、「VPDを知って、子どもを守ろう」のHPがトップ検索されます。VPDや各ワクチンの接種時期・意義についてお知りになりたい方は、覗いてみてください。)

今年のインフルエンザワクチンについて

新型インフルエンザの発生により、今年のインフルエンザワクチンについて多くのお母さん達から質問をいただいています。現時点での報道・情報に基づいて以下のように予定しています。
1)季節型インフルエンザについて年間1500万人が罹患する季節型インフルエンザは、新型と一緒に今冬も流行すると考えられます。また、本格的流行が始まると、7月までのように簡易迅速検査でインフルエンザA陽性の患者様全員について、新型か季節型の判別(大阪公衆衛生研究所によるPCR検査)が物理的に不可能になりますので、殆どの患者様は、自分のインフルエンザが季節型か新型かを知らずに治療を開始することになります。よって、今冬のインフルエンザ罹患リスクを少しでも減らすこと(抗インフルエンザ薬の枯渇を防ぐ、社会的・個人的パニックを防ぐ等)が大切で、季節型インフルエンザワクチン接種の重要性は一層高まると考えられます。しかし、新型インフルエンザワクチン製造のため、季節型インフルエンザワクチンは4000万人分製造時点で終了されたため、例年の80%の供給量となることが確定しています。現時点で、当院で接種可能人数(季節型ワクチンの供給本数)は未定ですが、季節型インフルエンザを早期に1人でも多くの方に接種すべきと考え、可能な範囲で接種開始を早めたいと考えています。


2)新型インフルエンザワクチンについて

国内での新型インフルエンザワクチンの製造が開始されていますが、予想より増殖力が弱いウイルスのため、生産本数が1700万本程度にとどまるようです。そこで、厚生労働大臣が、急遽、「海外メーカーのワクチンを緊急輸入する」と発表したところ、WHOやワクチンの専門家たちから批判(発展途上国の接種分を奪ってしまう)が出され、不足分はどうするか新しい政権に委ねられた状態です。いずれにしろ、今年の秋・冬に新型インフルエンザワクチンは全てを政府が買い取り、優先順位をつけて接種を認める(多くの方は希望しても接種できない)ことになるようですが、詳細は不明(海外ワクチンは治験しないまま開始、久しぶりの集団接種など、超法規的措置を今年だけ認める?)です。マスメディアでも報道されると思いますが、接種方法が確認でき次第、当院のホームページ上でも報告させていただきます。


蛇足1
上記、新型インフルエンザワクチンの接種優先順位は
・妊婦
・医療関係者
・基礎疾患のある方(糖尿病、慢性肺疾患、透析中の腎臓患者、心臓病)
・生後6か月未満の乳児を養育される方
・生後6か月から24歳までの方  と米国で発表されました。
日本でも、ほぼ追随した優先順位が示されると思いますが、これだけでも供給本数をはるかに上回る人数になってしまいます。


蛇足2 お詫び
「VPDを知って、子どもを守ろう」の会に参加を記念して、今夏にクリニック特製の団扇を配りましたが、前記の子宮頚がんワクチンの接種年齢を45歳までと記載してしまいました。6月に海外の医学論文で45歳まで有効の報告がでましたが、接種年齢は基本的に10代前半になると思います。
   

蛇足3
報道の通り、真夏(夏休み)にも関わらず、数名の新型インフルエンザの患者様が来られています。症状は比較的軽症で、抗インフルエンザ薬を使用せず1日で解熱した方もおられました。新学期から、今秋・冬にかけての大流行は確定的と思われますが、扇情的なマスコミの報道に惑わせられずに、体調の維持・手洗いうがいの励行・咳エチケットに気をつけて過ごしましょう。


蛇足4
8月29日30日と外来小児科学会(埼玉)にスタッフとともに行ってきます。日本中の小児科医、看護師、受付スタッフが、よりよい小児科クリニックにするにはどうすべきが、研修と議論を重ねてきます。9月のきっず通信では、その一端をご報告できると考えています。よって、8月29日(土曜)が休診になりますが、ご理解のほどよろしくお願いします。

2009年8月14日
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