ふじかわきっず通信

インフルエンザの治療について

インフルエンザの流行が始まりました。
24日(月)に豊中市休日診療所(上野坂)の救急当番をしていましたが、受診患者の半数以上がインフルエンザ陽性(検査した方の80%以上)でした。つい先日までは、嘔吐下痢のウイルス性腸炎とRSウイルスによる気管支炎が主役でしたが、一気にインフルエンザが増えてきました。幸い、一昨日から冬休みに入り、年内の幼稚園・小学校での流行拡大は少ないでしょうが、久しぶりのAソ連型の流行で、正月明けから大きな流行が危惧されます。


インフルエンザを予防するためには、ワクチン接種(以前のキッズ通信を見て下さい)、外出後の手洗い・うがいを励行する、そして不要な人ごみへの外出は避ける(外出する場合はマスクをする)などでしょうが、罹患した場合の治療について、今回は述べます。


現在、国内でインフルエンザに有効と認められている薬剤は、タミフル、リレンザ(吸入薬)、麻黄湯(漢方薬)です。当院では、インフルエンザ迅速検査が陽性に出た時点で、ご家族に投薬治療の希望がある場合(発症後48時間以内)に、以下の原則で治療を行います。


1) 1歳未満の乳児には、麻黄湯で治療します。
2) 1歳以上10歳未満では、上記の3種類のいずれかを使用しますが、6歳未満にリレンザを処方する場合は、吸入器を貸し出しします(台数には限りがありますが)。
3) 10歳以上20歳未満には、タミフルは処方しません。
4) B型インフルエンザには、リレンザを優先して処方します。


尚、上記治療にて、有熱期間はA型インフルエンザで1日から1日半短縮されますが、感染期間(周囲に伝染させる期間)は短縮しません。登校・登園の再開には、少なくとも発症から5日以上、あるいは解熱から2日以上を目途にして下さい。また、リレンザや麻黄湯がタミフルに比べ安全である証拠はありません(日本での投与経験が少ないため)。逆に、昨年、タミフルが原因と報道された異常行動は、インフルエン脳症や高熱せん妄(原因に関係なく、高熱時に異常な言動をする)時の症状にも似ていますので、タミフル服用の患者さんを含め、最初の48時間は、注意深い観察が必要です。


bd_xmas56.gif 蛇足ですが・・・
欧米では、インフルエンザは抗インフルエンザ薬を使用せず、在宅安静で治すのが基本のようです。日本人の考え方とは相容れないかもしれませんが、老人や基礎疾患のある方以外は、必ずしも抗インフルエンザ薬治療に固執すべきではないという医師も増えてきています。来るべき高病原性インフルエンザの世界的大流行も見据えた、抗インフルエンザ薬の適正使用の検討が、そろそろ必要なのかもしれません。


2007年12月25日
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