豊中市緑丘の小児科。予防接種、乳児健診等。 千里中央駅阪急バス3番乗り場より「豊中」行きに乗車(約10分)し、「緑丘」下車すぐ。

ふじかわきっず通信

予防接種の接種部位変更(2歳未満)についてお知らせ

近年、乳児に接種する予防接種が増えて、今秋には水痘ワクチンも定期接種化されます。
つい5年前までは、乳児で接種するワクチンは三種混合ワクチンと麻疹・風疹ワクチン(MR)のみでしたから、接種は最も安全な上腕の伸側下部に接種するだけでした。 しかし、4年前からヒブワクチン、肺炎球菌ワクチンが定期接種化され、インテリジェンスの高いこの地域では、任意接種のB型肝炎ワクチンも多くの乳児が接種されるようになりました。 当院では、世界標準の予防接種スケジュールを推奨し、ご提案していますので、1度に4-5本を同時接種することも珍しくありません。
     


日本では、昔、乳児の臀部への筋肉注射(抗生剤や解熱剤)が原因と考えられた四頭筋拘縮症が大問題となり、「乳児の注射は腕に打つ」が常識になりました。しかし、複数接種があたり前になると、最も安全な上腕下部だけでは接種できなくなり。次善の策として上腕上1/3の外側(三角筋中央やや前方)に接種するようになりました。ただ、乳児の腕は短く(上腕上部は皮膚も薄い)、冬には重ね着のため袖を捲り上げても三角筋中央部を露出するのに苦労し、三角筋周辺を走る神経(腋下神経、とう骨神経)に注意しながら接種してきました。

今回、上記の神経障害リスクや乳児の痛みを考慮し、特に局所の副反応が出やすい3つの不活化ワクチン(ヒブ、肺炎球菌、四種混合)を、リスク回避のために接種部位を国際標準(2012年に日本小児科学会も推奨)に合わせ、乳児の大腿部外側(重要な神経や血管が走行していない)に変更しました。すでに接種を開始されている先生によると「痛みも少なく安心して接種できる」とのことでしたが、当院の同部への接種でも、乳児の接種後の啼泣時間が短く、接種部位を探す苦労もなくなり、私も赤ちゃんも接種時のストレスが軽減できています。

2歳以上のお子さんや、局所反応がほとんどない他のワクチンは従来どおり上腕下1/3に接種する予定ですが、2歳未満の乳児に上記の3種類の不活化ワクチンは、原則大腿外側に接種していく予定ですので、お待ちの間に、下肢の着衣を緩めておいてください。

追伸:9月1日から不活化インフルエンザワクチン(注射)のオンライン予約を開始します。昨年は12月に開始したフルミスト(点鼻生インフルエンザワクチン)は、米国での推奨通り、10月から開始予定ですが、詳細は後日にお知らせします(昨年のきっず通信の「フルミストについて」を参照ください)。

2014年8月26日
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生インフルエンザワクチン(フルミスト)と13価肺炎球菌ワクチン

%E3%83%84%E3%83%AA%E3%83%BC%EF%BC%91.gif 《 インフルエンザ生ワクチン:フルミストについて 》    


インフルエンザワクチン接種もいよいよ佳境に入りましたが、不活化インフルエンザワクチンの有効性については長期間議論されてきました。 最近、約15000人の乳幼児を対象にした疫学調査の結果が報告され、A型インフルエンザの予防効果は52%程度、B型インフルエンザ59%、入院抑制効果はA型 71%、B型72%、熱性けいれん予防率A型71%、B型88%と報告されました。つまり発病が50-60%、入院や重症化が78-80%軽減できるデータが示され、改めて乳幼児にも一定の効果があると報告されました。     
    

しかし、他のワクチンが適切な接種によって、感染予防効果が90%以上を示すことに比べるとやや低値で、より有効なインフルエンザワクチンとして、生ワクチンの研究開発が世界で40年以上前から続けられていました。そして、2003年に米国でインフルエンザ生ワクチン(商品名フルミスト、点鼻投与)が開発製造され 食品医薬品局(FDA)から承認を受けました。以後10年間のアメリカでの使用実績があり、2011年欧州でも認可され、発売されています。  
  


    
     

当院では昨年秋に、感染予防を目的としてスタッフ及びその家族に限定して米国から輸入した生インフルエンザワクチン(フルミスト)を約20人に接種しました。点鼻であるため痛みもなく鼻粘膜の刺激感も軽微でした。春に1人、B型インフルエンザに罹患しましたが例年に比べインフルエンザ発症を軽減できた印象です。  

    


生ワクチンの感染防御効果が高いのは、粘膜免疫・細胞性免疫も同時に獲得されるためですが、フルミストがすでに大勢に接種されている米国のデータでも、不活化ワクチンに比べ感染防御効果(83―92%)が高く、接種後の副反応も鼻炎が主なもので安全性の高いワクチンと考えられています。    

  


今年も、院内スタッフ及び家族に生インフルエンザワクチン(フルミスト)を接種予定ですが、それ以外に20人分のフルミストを別個に輸入しました。以下の点を踏まえたうえで、接種を希望される方はご予約下さい(米国と同じ基準です)。

%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%82%BF%E5%B8%BD%EF%BC%91.gif 対象 ・持病のない2歳から49歳。(当院では2~18歳、特に受験生にお勧めです。)
      ・過去にインフルエンザに罹患するか、昨年までに不活化ワクチンを接種したことがある方
      ・未認可ワクチンにさほど抵抗のない方(基本、自己責任での接種です。)

%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%82%BF%E5%B8%BD%EF%BC%91.gif 接種できない人 ・2歳未満と、50歳以上。
           ・1年以内に喘息発作のあった方
           ・免疫不全患者やそういった患者様をケアする方
           ・心疾患、肺疾患、喘息、肝疾患、糖尿病、貧血、神経系疾患などの慢性疾患を
             持つ患者
           ・アスピリンを服用中の方
           ・妊婦の方
            ・重度の卵アレルギーやゼラチンアレルギー、ゲンタマイシン、アルギニンアレルギー
             の方
           ・今風邪をひいていたり、鼻炎のひどい人(噴霧ワクチンが鼻粘膜まで届かない)
           ・ ワクチン被害に対する国の保証がないことを承諾できない方

%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%82%BF%E5%B8%BD%EF%BC%91.gif 接種回数  1回   

  
%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%82%BF%E5%B8%BD%EF%BC%91.gif 免疫維持期間 : 不活化ワクチンより長いが来春までのシーズン  

%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%82%BF%E5%B8%BD%EF%BC%91.gif 含まれるインフルエンザ株 :A型2種、B型2種(国産不活化ワクチンより1種多い)  

%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%82%BF%E5%B8%BD%EF%BC%91.gif 副反応 : 鼻炎症状が30-40%に、他の感冒症状(咽頭痛、頭痛、微熱)が10%未満に認める  
   

%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%82%BF%E5%B8%BD%EF%BC%91.gif 料金 : 8000円  

%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%82%BF%E5%B8%BD%EF%BC%91.gif 予約 : 電話で、直接予約下さい(20人に達し次第、終了します)
    
  
尚、フルミストについての公的な情報を知りたい方は、横浜市衛生研究所HPを参照ください。来年以降に本ワクチンを接種するかは未定です。  
   
     
   

%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%BC%E3%83%B3%E3%83%88%EF%BC%91.gif <13価肺炎球菌ワクチン>      
       

    
細菌性髄膜炎のワクチンの1つ、小児肺炎球菌ワクチンが世界で発売されたのが2000年。
そして、遅れること9年、やっと日本で小児肺炎球菌が認可されたのが2009年10月でした。 
しかし、その頃すでに海外では新しい小児肺炎球菌ワクチンが認可されていました。
それがこの11月から使用が始まった「小児肺炎球菌ワクチン13価」です。  
  


これには、従来の「小児肺炎球菌ワクチン7価」に含まれていなかった6価の血清型が追加されています。これによって、肺炎球菌による侵襲性感染症(髄膜炎、敗血症)は約90%予防される(7価では約70%)こととなり、乳幼児の肺炎球菌感染症が一層減少すると考えられます。スケジュールは従来の7価ワクチンとほぼ同様ですが、すでに7価ワクチンを開始されている子ども達は、11月1日以降、自動的に13価に変更されています。   
   


尚、既に7価ワクチンを追加接種(定期接種)まで終了されている方も、最終接種から2カ月以上経過していれば、新しい13価ワクチンを追加接種(1回のみで可)が可能となります。本来であれば、この追加接種も公費で定期接種として組み入れるべきものですが、今回は任意接種(自費)になりました。 世界では7価から13価の移行期に公費で1回接種され有効性・安全性が確認されています。
補助的追加接種と呼ばれ、1回の13価ワクチンの追加接種で新たに6価分の血清型の免疫が獲得できます。    

  
 
  
 %E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%BC%E3%83%B3%E3%83%88%EF%BC%91.gif 13価ワクチンの補助的追加接種をお勧めする理由    
  


これまでの7価ワクチンでも髄膜炎の主要な原因菌をカバーしていて、効果も充分認められ、事実髄膜炎の発症は激減しています。しかし、一方では今まで目立っていなかったタイプの肺炎球菌による髄膜炎の比率が高くなってきました。主要な原因菌が世代交代?してバトンタッチしているようで、今まで対応できなかった型に対抗するために13価のワクチンは開発されました。
これまで、細菌感染を繰り返して抗生剤治療が必要であった幼児(5歳未満)や、集団保育で耐性肺炎球菌感染リスクの高い幼児にとって有用なワクチンで、任意接種(自費)ですが追加接種の意義は充分にあると考えます。                                                                                      Dr%E6%B3%A8%E5%B0%84.gif  

2013年11月19日
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生後2ヶ月からのワクチン(ロタワクチンとB型肝炎ワクチンについてー風疹騒動と子宮頸癌ワクチンの副反応についてもー

<乳児期の任意接種ワクチン>
   

「生後2ヶ月からワクチンを」が、平成25年4月からのインフルエンザ菌b型(以下ヒブ)ワクチン、肺炎球菌ワクチンの定期接種化にともない小児科医のキャッチフレーズになりました。しかし、同時期に任意接種として開始すべきワクチンとしてロタウイルスワクチン(生後6週から15週までに開始)とB型肝炎ワクチン(生後2カ月以降から開始)があり、乳児期早期の赤ちゃんのワクチン予約をお受けするときに、接種希望を伺わせていただいています。今回はこれらワクチンの概要と必要性について述べます。  
    


ロタワクチン  


ロタウイルスは、2歳未満のお子さんに主として感染し、数日間にわたる高熱・嘔吐・下痢を呈する重症なウイルス性胃腸炎を発症させ、発展途上国を中心に年間数十万人の乳幼児が死亡しているとされています。先進国では死亡例は稀ですが、脱水や痙攣で入院することがあり、近年、乳幼児期に罹患しなかった小中学生の発症も少なくない印象です。   
   

当院では、2種類あるロタワクチンのうち ロタリックス(製品名)を4週間隔で2回接種していますが、希望される方にはロタテック(製品名)を4週間隔で3回接種します。両者の差は接種回数だけでなく含有するロタウイルスの数(ロタリックス 1価、ロタテック 5価)が異なりますが、現時点では「予防効果に差がない(交差免疫のため)」とされています。効果は発症を90%以上予防し、万一罹患した場合でも軽症ですむようです。  
 
安価ではない(1回 1万3000円)ワクチンですが、予防接種を始められる赤ちゃんにヒブ、肺炎球菌と同時に接種(飲むだけですが)を検討してください。  


B型肝炎ワクチン   

  
B型肝炎は、かって日本の国民病とよばれ、B型肝炎ウイルスを有する母から赤ちゃんに感染し、赤ちゃんが壮年期以降に慢性肝炎、肝硬変、肝がんを発症してきました。1980年代に母から赤ちゃんへの感染を予防する手段が確立し、日本国内から急速にB型肝炎ウイルス保有者が減少しました。しかし、近年、思春期以降の性交渉による新しいタイプのB型肝炎(a型)(従来の日本のB型肝炎はc型)が増加し、都市部で新規に見つかるB型肝炎は半分以上がa型になりました。このB型(a型)肝炎は、劇症肝炎になり一気に重症化する率や壮年期以降に肝硬変・肝がんになる率が高く、より感染予防が重要になりました。B型肝炎は、母児感染や性交渉だけでなく、保育所などの集団保育での流行も散見され、乳児期からの予防が大切なワクチンとして世界保健機構(WHO)も強く推奨しています。日本でも定期接種化が見込まれていますが、乳児期の予防接種が免疫の持続性からも重要と考えます(日本では生後2ヶ月から開始できます)。  
  


<風疹の流行と風疹ワクチンについて>  


昨年の日本の風疹患者数は世界第四位(中国、ルーマニア、バングラデシュについで)でしたが、今年も年始からの大流行が持続し、危惧されていた先天性風疹症候群の赤ちゃん出生の報告が続いています。風疹自体は「3日はしか」とよばれていた比較的軽症のウイルス感染症ですが、妊娠初期に母体が感染すると先天性風疹症候群(心臓奇形、難聴、視力障害など)の赤ちゃんになる可能性があります。先進国では以前から当然のように男女とも幼児期に2回ワクチンを接種し病気自体を根絶してきましたが、日本では男女に2回定期接種されるようになったのが6年前で、昭和54年4月2日―平成7年4月1日生まれの男女は接種率が低く、昭和54年4月1日以前生まれの男性は定期接種の機会がありませんでした。
今回、流行を受けて各自治体が上記世代の風疹ワクチン(はしか風疹ワクチンでも可)の公費援助をはじめましたが、国内には幼児用のワクチン数しか製造されておらず、早くも枯渇状態で当院でも幼児(特に1歳台の初回接種)を優先せざるをえなくなりました。
今年は風疹患者数世界一の不名誉な1年になりそうですが、長年のワクチンギャップ(先進国の中でワクチンの種類と回数が極端に少なかった)の弊害が如実に現れています。  


<子宮頸癌ワクチンと副反応>

春先から、子宮頸癌ワクチン(ヒトパピローマウイルスワクチン、以下HPVワクチン)に副作用とされる全身疼痛などの報道が続き、6月14日に厚生労働省からHPVワクチンの接種を暫く「積極的には勧奨しない」と決定しました。今回の全身疼痛は「複合性局所疼痛症候群」と呼ばれるもので、予防接種とは関係のない単なる輸液や注射の後でも見られるものです。HPVワクチンを以前から接種している英国(接種後に8名)、米国(接種後に7名)でも報告されていますが発生頻度が他の原因の発生頻度と変わらないため、HPVワクチン特有の副作用と考えていないようです。
日本では既に延べ865万回接種され接種後の持続性疼痛症例は38例(未回復は8例)が報告されていますが、副反応例とされる患者さんたちの検討の報告を待つとともに、年間約2500人の女性の命を奪う子宮頸癌(現在のHPVワクチンで防げるのは約1500人程度)をワクチンで防ぐことの重要性、ワクチンで防げない子宮頚癌を早期発見するため、検診率をいかに上げるかも再考される問題だと思われます。


追記:平成25年4月、日本小児科学会が任意接種の「水痘ワクチン」「おたふくかぜワクチン」を2回接種にするよう勧告しました(地味?でマスコミは誰も取り上げてくれませんが)。麻疹、風疹同様、生ワクチンでも2回接種しないと免疫が長期に維持できないことが判明した結果です。水痘ワクチン、おたふくかぜワクチンを1回接種して、その後罹患せずにすんでいるお子さんに2回目の接種を考慮してみてください。

2013年7月03日
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インフルエンザの流行がやってきた

今回は、予想外に早期に始まったインフルエンザについての内容です。前回の内容の後説と考えていただき、合せて読んでいただければ幸いです。                                

         

futaba01a.gif 1)インフルエンザ検査と5つのインフルエンザ治療薬について   
       
                             
今年のインフルエンザはA香港型からはじまりました。いわゆる典型的なインフルエンザで「高熱、頭痛、節々が痛い」で始まり、熱性痙攣や脳症などの中枢神経症状を併発しやすいのが特徴です。現時点では、ほとんどの方が軽症で家族単位の流行が主体ですが、日々学級閉鎖の学校・幼稚園の報告が増えています。                                                  
                 

01-3.gif <インフルエンザ迅速検査>                               
                          

発熱していること、周囲の流行状況、発症からの経過時間(できれば12時間以上)を確認して検査します。 検査は、インフルエンザウイルスが咽頭後壁(鼻の最も後ろの壁)で最初に増殖するので、麺棒を可能な限り奥まで挿入し10秒間留置、最後に擦過して抜き取ります。この時、麺棒は鼻の中で最も出血しやすい場所(キーゼルバッハ部位)を2回通過せざるを得ませんので、仕方なく鼻出血を伴うことがあります。   
検査キットは、感度が最も高く発症後できるだけ早期に陽性になるものを使用していますが、12時間以上経過しないと陽性に出ないこともあります。また、麺棒の挿入が困難で鼻水が多い場合には、かんでいただいた鼻水で検査することもあります。 検査結果は約10分ほどで出ますので、隔離カーテンの中で暫くお待ちください。                                                  


                                                              
01-3.gif <5つのインフルエンザの治療薬 ~ さぁ、どれを選ぶ?>                                                                 
 
                                          
2001年、抗インフルエンザ薬としてタミフル(飲み薬)・リレンザ(吸入)が次々と発売され、インフルエンザの治療は安静と解熱剤から抗インフルエンザ薬で早期に解熱させる方向に大きく舵をきりました。しかし、タミフルは脳への移行率が高いことから副反応として中枢神経症状(意識障害、錯乱など)が時に認められたため、1歳未満と10歳代の患者には原則使用禁止となりました。
そして近年、新しい抗インフルエンザ薬が開発され、1回分処方するだけのイナビル、点滴で投与できるラピアクタが使用可能となり、患者様の状態により治療の選択の幅が広がりました。当院でも漢方薬(麻黄湯)の早期投与とあわせ、年齢や病状、過去の使用歴などを考慮しこれら薬剤を処方していますが、改めて各々の薬の長所と短所を列記します。                              
                                         
                                                                                                 

01-3.gif <タミフル 5日間服用>                                           
                                                 
飲み薬で、カプセルを飲み込めれば薬効が期待できます。小さな子供には粉薬(タミフルドライシロップ)があり、体重に合せて量を微調整できます。                                 
                               
  
タミフルの副作用症状は、主に、腹痛、下痢、嘔気などです。2004年に、厚生労働省は、タミフルの副作用として、精神・神経症状(意識障害,異常行動,せん妄,幻覚,妄想,痙攣等)などがまれに現われることがある、と報告しています。 そして2007年厚労省は「10歳以上の未成年者においては、タミフルの処方は差し控えること」という警告を出しました。 しかし、インフルエンザ感染児の異常行動はタミフルを内服していない児でも報告されています。 インフルエンザウイルス自体がそのような “ ワルサ ”をするという説もありますので、タミフル内服にかかわらず発症後2日間くらいはいつもそばにいて子どもを見守ってください。                                           
                   
                                   
処方をするうえでの留意点は、時に中枢神経症状がでることがあるため、年齢制限があることです。                                                                
  
さらに、濫用することで、僅かながら耐性ウイルスが出現してきていることです(感染性、病原性は弱いようですが)。                                                           
                                                            
                                                            
                                                       
01-3.gif <リレンザ 5日間吸入>                                              
                                               
リレンザは1日2回吸入する薬です。特にB型にはタミフルより効果があるといわれています。患者様が粉薬を吸って、気道粘膜まで到達することで薬効を示しますので、小児では5歳以上が適応年齢と考えます。ただ、水溶性の薬剤であるため、リレンザを水(当院では主としてインタール吸入液を使用)に溶かせて吸入器で吸入していただくと、タミフルを内服できない乳幼児でも使用が可能です。中枢神経への移行率が低いため、タミフルが使用できない10代の子供にも処方できます。                      
                       
リレンザは一般的には安全な医薬品で重篤な副作用はほとんどありません。
まれに、顔や上半身の紅潮・熱感、皮膚のカユミ、蕁麻疹、口唇や舌・手足の痺れ感、むくみ、吐き気
などが現れることがあるようですが、このような症状はほとんどきいたことがありません。           
                                                      
処方するうえでの留意点は、吸入手技が不十分だと気道粘膜に到達できず、薬効が期待できないことです。また、リレンザはウイルスを細胞内に閉じ込めて増殖を阻害する薬ですので、体内でウイルスが大量に増殖する前(発症後48時間以内)の吸入開始が原則です。それ以降の吸入開始では治療効果が期待できない恐れもあります。                                   
                                     
                                                                                      
                                                
01-3.gif <イナビル 1回分処方>                                                                 
                                        
2010年に承認された4番目の抗インフルエンザ(吸入)薬です。
10歳以上(2容器40㎎)と10歳未満(1容器20㎎)と年齢で量は異なりますが、1容器につき4回吸引できれば治療が終了するため簡便です。リレンザと同じく吸入して気道粘膜まで薬が到達しないと薬効が期待できないため、乳幼児には使用できません。                            
                     
      
処方するうえでの留意点は、水溶性でないため、リレンザのように吸入器を使った使用もできません。      
1回分のみの処方ですので、失敗はできません。吸入手技の正確さが強く求められます。(リレンザ、イナビルとも薬剤師が詳しく指導していただけますが) 吸入する粉の量が多いため、1容器につき4回吸い込む必要があります。10歳以上の場合2容器ですので、8回吸い込む必要があります。吸入容器の扱いも少しややこしく?初めての場合、説明が必要ですので、高熱でぐったりしているときにこまかな説明を聞いて、間違いなく家で8回吸い込むのは少々不安でわずらわく感じる方もいらっしゃるかもしれません。もし可能なら、薬局さんで薬剤師の指示のもと、その場で8回吸って帰るのが1番確実かもしれません。  (この薬は、インフルエンザの家族内感染の予防にも効果があるといわれています。受験生のいるご家庭で他の家族がインフルに罹ってしまった場合など、緊急避難的に使用することも可能です。ただし、残念ながら予防投与は保険適応ではありませんので、自費での処方になります。)                      

      
               
             
01-3.gif ラピアクタ(点滴薬)                                           
                                                                                                                        
唯一の点滴薬です。重症な場合や嘔吐が激しく内服や吸入が困難な時などに使用します。
イナビル同様、1回の使用で治療は終了です。
欠点は、薬剤が腎臓から排泄されるため腎機能の悪い方は使用できません。また、極めて稀ですが、点滴薬にてアナフィラキシー様症状が早期に出現することがあります。                                                                                       


01-3.gif <麻黄湯(漢方薬)>               
                                                              
上記の抗インフルエンザ薬が乳児に使用できないため、1歳未満の乳児やタミフルが使用できない幼児に使用します。タミフルと同等の効果があるとの報告もあります。作用機序が上記の抗インフルエンザ薬と異なり、体の抵抗力を高めることでインフルエンザウイルスの増殖を抑制する(普通の感冒ウイルスに対しても同じ)ので、上記薬との併用や診断が未確定の段階での早期内服にも利用できます。
欠点は、味がまずくて飲みにくい、短期に複数回の内服が必要なため副反応(興奮、不眠等)がでることがあります。
                 


futaba01a.gif 2)経鼻インフルエンザ生ワクチン(フルミスト)を使用してみました。           
        
                                                            
この冬のインフルエンザ対策として、米国で2年前から導入されている経鼻インフルエンザ生ワクチンを輸入し、当院の職員・家族に年末に接種しました。                    

私も接種(鼻に噴霧するだけです)しましたが、痛みや違和感なく快適に接種できました。
このワクチンは弱体化したインフルエンザウイルスを鼻腔内に噴霧することで疑似感染状態をつくり、免疫を誘導します。 米国のデータでは接種後約1%にインフルエンザ様症状がでるとのことでしたが、当院のスタッフや家族には、特に問題ありませんでした。                  

               
日本では未だ認可されていないワクチンですが、これから有効性を確認したいと考えています(国内の他のクリニックでも、職員・家族・特定の患者様に限定して接種されているようです)。
もし、有効なデータが確認された場合、未承認ワクチンであることを理解いただいた上で、希望される皆様に来季のインフルエンザシーズン前に接種を開始することも考慮しています。      

      
このワクチンを接種できない方は・2歳未満、50歳以上の方 ・5歳未満で喘息の児、1年以内に喘鳴を認めた方・心臓、肺、腎臓、肝臓などの慢性疾患のある方・免疫不全の方などです。(詳しくは、来季のワクチンシーズンにお知らせします。)                                                                                    Dr%E6%B3%A8%E5%B0%84.gif


2013年1月30日
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遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。

ひさしぶりのきっず通信です。

新年とともにノロウイルスの流行も終焉に向かい、先週からインフルエンザの流行がはじまりました。
1月15日には13人のインフルエンザ患者さんが受診され(殆どがA型)、今冬のインフルエンザ流行が近年になく早く、早期にピークに向かう印象です。受験シーズンとも重なり、一層の感染対策が必要だと考えます。

今回は 
1)四種混合(DPT+不活化ポリオ)の入荷遅れについて
2)昨秋から導入している在宅用鼻汁吸引器の貸し出しについて
3)阪大小児科神経グループの臨床研究へのボランティア参加の御願い                       
について述べます。


1) 新しく始まった予防接種(不活化ポリオ、四種混合)の現況  

今回のメインテーマです。昨年9月に待望の不活化ポリオワクチンの定期接種がはじまり、11月からは従来の三種混合ワクチンに不活化ポリオワクチンを追加した四種混合ワクチンが導入され、乳児期の予防接種は大きく前進しました。
しかし、四種混合ワクチンの供給量が暫く過少状態となることが判明し、四種混合ワクチンの代わりに三種混合ワクチン+不活化ポリオワクチンの同時接種に切り替えざるを得なくなりました。そのため不活化ポリオワクチンの不足がドミノ倒しに生じました。  
   

当院では、四種混合ワクチンの在庫がない場合は『三種混合+不活化ポリオ』での接種開始をお薦めしています。 しかし、現状では『不活化ポリオ』も在庫がなくなる見込みです。  
                       
ポリオは昨年春まで生ワクチンで接種されていたため、ワクチンによる患者発生が繰り返し報道されましたが、現在では国内のポリオウイルスは研究施設や製薬会社に保管されたもののみとなり、流行地域に渡航される方以外に国内で感染するリスクはゼロになりました。       
        
なので、四種混合ワクチン接種時期に不活化ポリオの在庫がない場合は、ひとまず赤ちゃんの命にかかわる予防接種の『ヒブ』『肺炎球菌』『三種混合ワクチン』の接種を優先して済ましてから不活化ポリオの接種をするというワクチンスケジュールを提案させて頂きます m(_ _)m   
       

何より避けたいのは、四種混合ワクチンの入荷を待っていて、赤ちゃんが百日咳の免疫を持たないまま人混みに出ることです。 百日咳は普通のカゼのような症状ではじまります。(そのため、確定診断が遅れることが多い疾患です。)続いて咳がひどくなり、顔をまっ赤にして連続性にせき込むようになります。咳のあと急に息を吸い込むので、笛を吹くような音が出ます。熱はでないか、でても微熱程度です。乳幼児は咳で呼吸ができず、チアノーゼやけいれんがおきることがあります。肺炎や脳症などの重い合併症をおこすこともあり、命を落とすこともあります。       
                                   
                         
百日咳は『三種混合ワクチン』で予防できます。                  
 
                        

四種混合ワクチンの供給は、今春以降には改善する見込みであり、不活化ポリオ(単独)ワクチンの接種をお待ちいただいている皆さんも順次接種可能になる見込みです。
(ポリオワクチンは、米国では3回目接種時期が1歳以降に設定されており、もし2回目と3回目の間隔があいていても問題はありません。)            
   

        
                               

             
2) 昨秋から導入している在宅用鼻汁吸引器貸し出しについて            
                                      
                                   
乳児期は鼻呼吸が主体で、たかが鼻汁、鼻閉で「寝付けない」、「何度もおきてしまう」、「哺乳量が低下」する等の症状を引き起こします。そのため、市販の鼻吸い器などが利用されていますが、なかなか鼻汁はうまく吸引できないようです。                                   
                                                                  
昨年9月に医療用器具としてコンパクトな吸引器『スマイルキュート』が発売されました。
早速当院で3台購入し、子供が上記症状でお困りの方達に1週間単位で貸し出ししてきました。
初回貸し出し時のみ個人用の先端カニューレを1050円で購入する必要がありますが、市販のものに比べ吸引圧が高く、症状の軽減に役立っています。鼻汁吸引は中耳炎の治療・予防にも有効とされており、中耳炎を繰り返す乳幼児にもかなり有用と思います。          
                                                                             
          
2) 阪大小児科神経グループの臨床研究へのボランティア参加の御願い         
            
    
近年、自閉症(アスペルガー症候群を含む)、注意欠陥多動症候群、学習障害などの軽度発達障害と総称される疾患群が家庭・教育の現場で大きな問題になっています。                    
      
従来、「親の教育が悪い」とされ、適切な対応・治療が十分に行われてきませんでしたが、脳科学的研究の進展に伴い、病態解明が進んでいます。大阪大学医学部小児科神経グループにも多くの上記疾患群の患者さんが来られ、心理テスト、頭部MRI、脳磁図などの検査が行われていますが、比較検討対象になるこの年齢(6歳ー15歳)の正常データの集積が乏しく、健常児の検査ボランティアを募集しています。いずれも害がなく20分程度で終了する検査で、日時も出来るだけボランティアの都合に合せていただけるようです。今回は男児のみを募集していますが、考慮いただける保護者の方がおられれば、お申し出ください。       

                                                                                                        Dr%E6%B3%A8%E5%B0%84.gif


2013年1月20日
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